「もったいないから取っておこう」「いつか使うかもしれないから捨てられない」、物を大切にしているつもりが気付けば自宅がゴミ屋敷に!?
ゴミ屋敷の住人も好きで家を汚くしているわけではありません。ですが、一度ゴミ屋敷化してしまうと脱却するのはなかなかパワーがかかります。「こんな家に帰ってくるのはイヤだな…」と思っていても、「何から手をつけたらいいのかわからない」を言い訳に片付けを先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか。
今回は単なる片付け方ではなく、「ゴミ屋敷から脱出しよう!」と決意するための方法をご紹介します。さらに自力で片付けるのが難しい方のために、片付けのプロである業者をかしこく利用するための方法などもご紹介。ゴミ屋敷から脱出したいと少しでも考えているなら、ぜひ参考にしていただきたい記事です。
※具体的な片付け方に関しては「汚い部屋もステキなお部屋に大変身!部屋を片付ける5つの手順」の記事、もしくは「もう汚部屋とは言わせない!脱出して気軽に人を招けるキレイな部屋へ」の記事をご覧ください。
【目次】
1. ゴミ屋敷を片付けよう! と決意する方法
1-1. 公言する
一番お手軽なのはコレ。周囲の人に「ゴミ屋敷から脱出することにした」と公言することです。言ったからにはやり遂げなくては!という使命感を持てる人にとっては、手間もお金もかからない最適な方法といえます。家族や友人に対して公言するのが憚られるのであれば、SNSやブログで公言してしまうのもいいでしょう。ネット上に記録が残るので、決意が緩んだ時に自分を奮い立たすこともできます。
また自宅がゴミ屋敷であることがバレたくないのであれば、多少のウソもあり。たとえば「実家が引越しすることになったから、今度の長期休暇を使って片付けをする」など具体的な日にちを決めて公言してしまえば、後に引けなくなります。
≪公言してゴミ屋敷脱出を成功させた人の体験談≫
私はまず自分のブログでゴミ屋敷からの脱出を宣言しました。さらに自分のやる気を高めようと、自分の幼馴染と家族にも宣言。するとみんなが感動してくれて、片付けを手伝ってくれることになったんです。「言ったからにはやらなきゃ」と自分のモチベーションを上げるために公言したのですが、結局は周囲の手を借りて片付けをやり遂げることができ、一石二鳥。その恩もあるので、ゴミ屋敷脱出から約1年経った今もキレイな家をキープしています。
1-2. 逃げられない予定を入れる
締め切りが近くなるとやる気に火がつくタイプの方にオススメしたいのが、この方法。もし自宅がゴミ屋敷であることを誰にも知られていないなら、特に有効なのは友人を自宅に誘うことでしょう。
ポイントは「いつか」の約束ではなく、遊びに来てもらう日にちを特定することです。これで友人を招いても恥ずかしくない部屋に仕上げなくてはならない“締め切り”ができあがります。また途中で投げ出したくならないように、できるだけ大人数の友人を呼ぶのがベスト。多くの友人を自分から誘った手前、簡単にキャンセルはできなくなるでしょう。
「友人を家に呼ぶのが苦手…」という方は、「片付けのラストにハウスクリーニングを入れる!」という予定を入れてみてください。費用はかかってしまいますが、予約日までにある程度の片付けをする必要が出てきますし、何よりプロの手で掃除をしてもらえば、ワンランク上のキレイな部屋が出来上がるはず。その部屋の様子を想像すれば、片付けへのモチベーションも上がります。
≪逃げられない予定を入れてゴミ屋敷脱出を成功させた人の体験談≫
かなり見栄っ張りな私。それなりに身なりは気にしていましたし、友人は誰も私の家が汚いなんて思ってもいなかったと思います。でも仲良くなってくると必ず家を行き来する話が持ち上がりますよね。いつも断っていた私はどんどん申し訳なくなってきて…ついに友人を招くことにしたんです。
本当に足の踏み場もないくらいのゴミ屋敷だったので大変でしたが、友人が遊びに来るまでに何とかしなくてはと必死で片付けました。今も定期的に友人を自宅に招いて、きれいな状態を保っています。
1-3. モチベーションのあがる本を読む
自己啓発本を読むのが好きという方にはこちらの方法がベスト。片付けに関する本は山ほど出ていますが、ゴミ屋敷の住人にはまず、今流行りの「断捨離」に関する本から読むことをオススメします。とにかく「捨てたい!」という欲求が高まる本で、中には本を読みながら物を捨てまくったという方もいるほど。活字が苦手な方にはマンガで「断捨離」をわかりやすく説明している本もありますので、ぜひ参考にしてみてください。
また、片付けに関する本以外で効果的なのは、オシャレなインテリア雑誌や自分の好きなタレントのライフスタイルを紹介したムック本を読むこと。「こんな部屋に住みたい!」という想いが強くなるので、自ずと片付けに取り掛かってしまいます。
≪本を読んでゴミ屋敷脱出を成功させた人の体験談≫
ある本で「お金持ちの家はほぼ間違いなくキレイです」という一文を読んだ時に自分の心にスイッチが入りました。それまでは、自分が面倒くさがりだから家が汚くなるのは仕方ないと思っていたんですが、仕事と同じように片付ける力は後から磨くことができるのではないかと感じたからです。片付けというのは、自分にとって何が必要かを判断する力、そして片付けを段取りする力が必要ですよね。その力を磨けば、部屋もきれいになるし、人生も成功するのではないかと思えて、ゴミ屋敷脱出ができました。
1-4. 恋をする
タイトルを読んで「えっ?」と思った方もいらっしゃるかもしれません。ですが、最も効果的ともいえるのが「恋をする」という方法。
誰でも好きな相手には自分を良く見せたいもの。当然、恋を実らせるためには、自分がゴミ屋敷の住人であることを絶対に知られてはなりません。
それに恋人同士ともなれば、自宅に招くのは当たり前のステップ。ゴミ屋敷には到底迎え入れられませんから、片付けは必須。もちろん長くお付き合いが続くほど、キレイな部屋は保たれるというわけです。恋って素晴らしいですね。
≪恋をしてゴミ屋敷脱出を成功させた人の体験談≫
私の場合は実家がゴミ屋敷でした。もちろん、そこに住んでいる私の部屋もゴミだらけで、掃除の仕方なんて親から習ったことはありません。物心ついた時からその状態なので、特にゴミ屋敷であることに不満もなければ、片付けなきゃという焦りもなかったんです。
そんな私が変わったのは彼氏ができてから。結婚を考えていたこともあり、お互いの実家に行こうという話が持ち上がるまで時間はかかりませんでした。そこで「ヤバイ」と気付き、プロの片付け業者にお願いして、とことんキレイにしてもらいました。家族も喜んでくれていて、一緒に少しずつ片付けの方法を学んでいるところ。私が実家を出るまでにはちゃんと片付けられる女にならなくては、と母と話しています。
2. ゴミ屋敷を片付けられない理由は病気かも?
「物が捨てられない」「物を片付けられない」「人がゴミと思うようなものを大量に集めてしまう」…その原因は決してゴミ屋敷の住人がズボラだからとは限りません。実は精神疾患が原因であるというケースも少なくないのです。ご自身はもちろん、ご家族のお宅がゴミ屋敷だという方は、その方の性格だけが原因ではないことをよく理解しておいてほしいと思います。
原因となる精神疾患はさまざま。「うつ病」「ADHD」「強迫性障害」「統合失調症」「アスペルガー症候群」などがその代表例です。ここでは各精神疾患とゴミ屋敷の関係について簡単にご紹介していきたいと思います。
≪うつ病の場合≫
強いうつ状態が長く続き、日常生活に支障をきたしてしまう「うつ病」。その影響は片付けにも表れます。たとえば仕事や人間関係によるストレスからゴミを溜めこみ始め、少しずつ人づきあいを避けるようになっていきます。うつ病が原因でゴミ屋敷を作ってしまった方の多くが、絶望感や疎外感、孤独感を埋めるためにゴミを集めていると言います。
もともとキレイ好きだった人が急にゴミを溜めこむようになったという場合、もしかするとうつ病が原因かもしれません。そうであれば、ムリに片付けを強要するのではなく、まずは話し相手になるところからスタートするのが良いとされています。
≪ADHDの場合≫
別名「片付けられない症候群」とも呼ばれる「ADHD」。その特質を持つ人は、知能は標準またはそれ以上の場合が多いのですが、何らかの理由で脳内の神経伝達物質がうまく分泌されないため、精神的に混乱しやすい状態にあると言います。そのため、片付けや整理整頓が苦手なのです。
ADHDの方は片付け能力がないわけではなく低いだけなので、その人に合わせた片付け方を一緒に考えて指導していけば、ゴミ屋敷からは脱出できるとのこと。うつ病の場合と同じように周囲の理解と協力が大切です。
≪強迫性障害の場合≫
自分の意思に反して、不合理な考えやイメージが頭に繰り返し浮かんできて、それを振り払おうと同じ行動を繰り返してしまうのが強迫性障害の特徴。抑えようとしても抑えられない強迫観念と、それによる不安を打ち消すための無意味な行動を繰り返す強迫行為が具体的な症状です。
その強迫行為が「物を集める」という行動になると、ゴミ屋敷が出来上がります。「何かを集めないといけない」という強迫観念にかられ、日常生活に支障をきたすまでになってしまうのです。たとえば現在「後悔したらイヤだから物を捨てられない」という考えのある方は要注意です。
≪統合失調症の場合≫
統合失調症とは、脳内の精神機能のネットワークがうまく働かなくなる病気です。幻覚や妄想という症状が特徴的な疾患で、人々と交流しながら家庭や社会生活を営むのが難しくなっていきます。中には物事を行う意欲が失われるという症状もあり、キレイ好きな人が統合失調症になった途端にお風呂に入らなくても平気になったり、家がゴミだらけになっても気にならなくなったりと、清潔さに無関心になってしまうことがあるのです。
とはいえ、統合失調症は生活習慣病と同じで、早期発見・早期治療・薬物療法で回復していくもの。もし周りにこういった症状が見られたら、ゴミ屋敷の片付けよりも通院してもらうための方法を考えることが大切です。
≪アスペルガー症候群の場合≫
発達障害のひとつであるアスペルガー症候群。社会性、コミュニケーション、想像力に障害のある病気です。同時にいろいろなことができないため、片付けの苦手な人が多いのも特徴。片付けの手順を組んでもらい、一つひとつ作業を指示されれば問題ありません。「出したらしまう」「脱いだらしまう」というような基本的な片付けから周囲が根気よく教えていくのがポイントです。
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以上が、代表的な精神疾患の例。
もっと具体的に知りたい方は、「これって病気…?「片付けられない症候群」」の記事をご覧ください。
3. 業者に頼んでゴミ屋敷を一気に片付けてもらう方法
いざゴミ屋敷からの脱却を決意したはいいけど、どう考えても自分の目標とする期日までに1人では片付けられない…そんな時はプロに頼ってしまいましょう!ゴミ屋敷専門の清掃業者もありますので、ぜひ依頼してみてください。
ちなみに、プロにお願いするメリットは大きく分けて3つ。
■どんなに大量のゴミであっても、短時間で確実にキレイにしてくれる
■友人や家族に頼むのと違い、夜間作業や即日対応などある程度日時の融通が利く
■単に片付けるだけでなく、作業しながらゴミを分別してくれる
さらにオプションサービスとして、作業後にハウスクリーニングをしてくれる業者も。清掃が終わった後には、家中ぴかぴかになっていること間違いなしです。
では、実際に業者に依頼した際の費用相場やかしこい業者の選び方などをご紹介していきます。
3-1. 費用相場
「業者に頼むといってもどれくらい費用が必要なのかわからなくて不安」という方も少なくないのではないでしょうか。ここではあくまでも例になりますが、費用の相場をお伝えしていきます。
■1Kマンション(軽トラック+スタッフ1名+2時間作業)/44,500円
■2DKマンション(2tトラック+スタッフ3名+4時間作業)/181,800円
■4LDK一戸建て(2tトラック2台+スタッフ4名+6時間作業)/323,600円
■1LDKアパート(2tトラック+スタッフ4名+16時間作業)/360,000円
■5DK一戸建て(2tトラック5台+スタッフ14名+32時間作業/980,000円
料金は上記のように、ゴミの量やスタッフの人数、作業時間で決まるのが一般的。サービスには不用品の分別、梱包、撤去、処分が含まれています。
その他、悪臭がひどい場合の消臭作業、高層階からの階段による搬出作業は、プラスアルファの料金がかかってくることも。また、ハウスクリーニングがオプションサービスになっている場合もあり、キッチン・トイレ・お風呂と場所ごとにクリーニング料金が設定されている場合が多いです。
3-2. 業者の選び方
ネットかチラシで業者をお探しになる方がほとんどかと思いますが、最初のポイントはゴミ屋敷の片付けに関する経験が豊富かどうかです。チラシの場合、一般的な不用品回収業者のもののほうが多いと思いますので、ネットでゴミ屋敷専門の業者を検索するのが一番でしょう。
エリアを限定している業者もありますが、最近では全国対応を謳っている業者も多く、おそらく検索結果には数十社の業者が並ぶはずです。中には法外な料金を請求してくるといった悪徳業者もありますので、優良な業者をどう見極めたらいいのかをご紹介していきます。
(1)廃棄物の収集運搬許可を持った業者かどうか
この許可がない業者はゴミを処分することができません。必ず「産業廃棄物収集運搬業許可番号」を取得している業者であるかどうかを確認しましょう。多くの業者がHPの会社概要欄に許可番号を記載しているので、見積りを依頼する前に見てみるのがベストです。
中には「古物営業許可」のみ取得している業者もありますが、この場合、許可されているのは「買取り」のみ。廃棄物処理を行っているとしたら、それは法律違反です。そういった業者には依頼しないようにしましょう。
(2)営業年数は長いか
設立から1年程度と日が浅い業者は避けましょう。ゴミ屋敷の片付けに関するノウハウが少ないのはもちろん、評判が見えにくいのが難点だからです。近年の需要増加に合わせて乱立しているゴミ処理業者には不正をしている業者も少なくありませんので、出来るだけネットなどを通じて顧客満足度などの情報を収集できる業者を選びましょう。
(3)見積り時、明確に料金内訳を提示してくれるか
ゴミ屋敷の片付けにかかる費用は一般的に「人件費」「運搬費」「廃棄物の処分費用」など。何にどれだけかかるのかを明確に提示してくれる業者は安心です。また、オプション追加時の見積りも別に出してくれるような業者は間違いなく優良業者。中には見積り価格以上の料金は請求しないと明言している業者もありますので、そういった業者を選べば金銭トラブルは起きません。
以上、チェックポイントは全部で3つ。業者を選ぶ時はまず、(1)と(2)を満たしている業者から複数社に見積もりをとってもらうことをオススメします。その中で料金を明確に提示してくれるところから、最も低価格なところを選ぶのがベストでしょう。
3-3. 依頼する際の流れ
(1)ネットでゴミ屋敷専門の業者を5社程度ピックアップする
できるだけ安く優良業者に依頼するためにも、複数社に見積りをとることが必須。そのため、まずは複数社ピックアップするところから始めます。「ゴミ屋敷 片付け 業者」のキーワードで検索して出てきた業者のHPを確認。その中から「廃棄物の収集運搬許可」を持っていて、営業年数が少なくとも5年以上の業者を5社程度ピックアップしましょう。全国対応の業者も多いですが、念のため自宅が作業エリアに含まれているかも確認してください。
(2)電話で見積りを依頼する
メールで依頼できる業者もありますが、対応の丁寧さを知るためにも電話にしましょう。優良業者であれば、この時点でゴミの量や家の中の状況を聞いてくると思いますので、ある程度答えを準備しておくとスムーズです。
(3)下見および見積りに来てもらう
ゴミ屋敷の片付けの場合、下見が必要な場合がほとんど。また、その場で見積りが出ないケースも多いです。そのため、いつ見積りを出せるのかを確認しましょう。日程が不明確だったり、見積りを出すまでに1週間以上かかったりする業者は適当な対応をする可能性があるので、この時点で切ってしまって構いません。
(4)見積りが出そろったら、数社を比較する
まずは見積り内容に少しでも疑問があったら、必ずその場で解決しましょう。「こういった作業で追加料金はかかるのか」「見積りよりも料金が高くなる可能性はあるのか」など、作業が終わってから「聞いていた金額と違う!」とならないために念には念を入れて確認することが大切です。
その他、「何人で何時間ほど作業をするのか」「どんな作業工程で行うのか」など当日についても聞いておきましょう。ここでわかりやすく丁寧に教えてくれる業者を選びたいものです。
次に価格とこれまでの対応を踏まえ、2社に絞ります。そのうち見積り価格が高かったほうの業者には、正直に他の業者にも見積りを出していることを伝えてみましょう。もしかすると安くなるかもしれません。その結果を踏まえて、最終的に業者を選びます。
3-4. 費用相場
≪case.1≫
作業員の背丈を超えるほどのゴミで埋まっているお部屋…居間と廊下をつなぐドアも閉まらない状態でした。引越しを機に一念発起し、片付けをプロに依頼。生ゴミをはじめとしたゴミや家具・家電の不用品などを分別してもらい、10時間かけて作業は終了。床が見えた時は、本当に嬉しかったですね。(4LDK/作業員7名/作業時間10時間/計66万円)
≪case.2≫
玄関を開けるとすぐに、足を踏み入れる場所もないほどゴミが堆積していた我が家。どんどん分別・梱包を進めていってもらうと、一番下に卒業アルバムと何通かの手紙が出てきました。ずっと前に失くしたと思っていたものだったので本当に感動。もう置き場所がわからなくなることのないようにキレイな家を保ち続けます!(1LDK/作業員3名/作業時間4時間/計26万円)
≪case.3≫
とにかく何もかも片付けるのがイヤで、引っ越して数ヶ月で家中ゴミだらけ。特にリビングには飲みかけのペットボトルや弁当の容器、おかしの袋などが散らばっている状態でした。しかし妊娠をきっかけに片付けを決意して、プロに相談。そこからは本当にスピーディーに対応してもらいました。家族が増えるので、これからは普通以上にキレイな部屋を目指して、掃除を頑張ります。(3LDK/作業員5名/作業時間6時間/計42万円)
4. まとめ
ゴミ屋敷からの脱却を果たした方は意外と大勢いるもの。まずはどれだけ本気で片付けを決意できるかが大切といえそうです。覚悟を決めてしまえば、あとはプロにお任せできるので何も難しいことはありません。ぜひ心機一転、キレイな部屋で新しい生活をスタートさせませんか。この記事がその第一歩の手助けとなれば嬉しいです。