引越し先が決まったから、あとは荷造りをするだけ。引越し当日までにダンボールに荷物を詰めていこう……という考えは、後々自分を苦しめることになります。
「とりあえず」と作業を開始してしまうと、ダンボールはものすごい数になり、箱詰めだけでもかなりの時間と労力がかかってしまいます。また、引越し後に、ものが大量に詰め込まれたダンボールを開封し、それらを新居に配置・収納していくのはとても骨の折れる作業です。そのため、いきなりダンボールを広げて荷造りするのはおすすめできません。
引越しの準備をする際、最初にやるべきことは、不要なものを処分してしまうこと。ここでは、引越し前の片付けや準備を効率良く進めるポイント、引越し後の片付けをスムーズに行なうためのコツを紹介します。
【目次】
1. 片付けを始める前に準備するもの
片付けをする際にとりあえず必要なのは、ゴミ袋・マスクの2つだけ。最初から本気でやろうとすると、必ず途中で集中力が切れてしまいます。まずは、ゴミ袋とマスクだけを準備して「これは明らかにいらない」と思えるものを捨てていくことが大切です。
ただ、ゴミ袋が必要な理由は理解できても、「マスクは別にいらないのでは!?」と思う方もいるのではないでしょうか。侮る無かれ。片付けをする際には、目に見えない大量のハウスダストが空気中に舞います。人によってはアレルギー症状を起こし、くしゃみや鼻水が止まらなくなることも。そうなると、片付けのモチベーションは一気に低下してしまいます。せっかく動き始めた手を止めないようにするためにも、マスクは必ず準備しましょう。
2. 効率よく片付けをするための順序
引越しをするための片付けには、効率よく進めるための順序があります。この順序を間違えてしまうと、作業はスムーズに進みません。限られた時間の中で効率よく片付けるためにも、最善の順序を知っておきましょう。
2-1. 明らかに不要なもの
まずは、「明らかに不要なもの」をゴミ袋に捨てていくことから始めましょう。いきなり必要か不要か悩むものの選別からスタートしてはいけません。片付けをスムーズに進めるために大切なのは、迷わないこと。机の上に出ている食べかけのお菓子の袋、飲みかけのペットボトルなど、目につくゴミをどんどん捨てて勢いをつけましょう。視界に入る明らかに不要なものを捨てることで、少しずつ迷いやためらいは消え、やる気が出てきます。
2-2. 捨てるかどうか迷うもの
処分に迷ったものは、たいてい「捨てても後悔しないもの」です。特に、いつか使うかもしれない……と思っているものの、半年以上使っていないものは捨ててしまっても問題ありません。半年以上無くても生活できていたのなら、それは新生活でも必要のないもの。「あの時、捨てなければよかった」というシーンが訪れる可能性は極めて低いのです。
捨てるかどうか迷うものは、キャビネットやキッチンなどの「引き出し」の中に入っていることが多いです。存在すら忘れていた文具やいつ買ったのかもわからない調理器具など、使っていないものをダンボールに詰め、引越し先で取り出して収納する……。こんなナンセンスな状況は避けたいですよね。引越しを機に、ひと思いに捨ててしまいましょう。
2-3. もったいなくて捨てられないもの
奮発して買ったけれどお蔵入りしている高価なものや、人から譲ってもらったけれど全く使っていないもの。こういった、「もったいなくて捨てられないもの」が意外と厄介です。いくら捨てる勢いに乗っている時でも、ためらいが生じ、手が止まってしまいます。
それでも、使わないのであれば、わざわざ引越し先に持っていく必要はありません。捨てるのがもったいないのなら、リサイクルショップやネットオークションなどで「売る」という選択肢もあります。どちらにしても、使わないものはすべて、片付けのタイミングでリリースしてしまうのがベストです。
2-4. 思い出が刻まれたもの
「高校時代の部活のユニフォーム」「職場を離れる時にもらった色紙」「海外で購入したおみやげ」「大切にしていたぬいぐるみ」「過去に使っていた手帳」など、お金にかえることのできない思い出が刻まれたものは、片付けをする際の強敵となります。捨てる捨てない以前に、それを手にとってじっくりと眺めたり読んだりしてしまうことで、限られた引越し前の時間を大幅に奪ってしまうからです。そのため、心を鬼にして選別作業を行なう必要があります。
「一生手元に置いておきたい」と思えるものは、無理して捨てる必要はありません。それはきっと、あなたの心の支えになっている本当に必要なもの。たとえ場所をとるものであっても、引越し先に持っていくべきものです。
ただ、「思い出があるからなんとなく捨てづらい」というレベルのものは、いつか必ず処分する日がやってきます。引越しのタイミングは、手元から離す絶好のチャンスなのです。
「それで捨てられるのなら苦労はしない」という方におすすめしたいのが、データとして保存しておくこと。スマートフォンやデジタルカメラなどで思い出の品を撮影したり、スキャンしたりしてデータにしてしまうのです。すると、不思議なもので、もの自体を捨てることへの抵抗は弱くなります。そのタイミングを逃さずに処分してしまいましょう。
ここまでくると、ものが少なくなっていくこと、そして必要なものだけが残っていくことを「気持ちいい」と感じるようになってきます。引越しをする時の片付けは、「自分にとって本当に必要なもの」だけをハッキリさせるための価値ある時間なのです。
3. 荷造りをする際に考えるべきこと
不要なものをキレイさっぱり捨てた後は、いよいよ荷造りです。ゴミ捨てを経て、自分にとって本当に必要なものだけが残ったら、引越し先での収納場所を頭に描きながらダンボールに詰めていきましょう。
荷造りのタイミングで一度イメージしておくだけで、引越し先での収納作業は想像以上にスムーズに進みます。逆に、このタイミングでイメージしておかないと、引越し先で開封をするのが億劫になり、いつまでも手付かずのダンボールが残ったまま……なんていうありがちなパターンに陥ってしまいます。
新居での生活を気持ちよくスタートさせるためにも、収納場所をイメージしながら荷造りをしていきましょう。
4. 引越し先で最初にするべきこと
引越し完了後、ダンボールを未開封のままにしてしまうと、新居での生活を気持ちよくスタートすることはできません。引越しが完了したら、全てのダンボールを一度開封してしまうのが、引越し後の片付けをスムーズに行なうコツです。
開封さえしてしまえば、あとは荷造り時にイメージした通りに収納をしていくだけ。最初から丁寧に配置・収納する必要はないので、まずはすべてのダンボールを空っぽにすることを目指しましょう。すべてのダンボールを処分した上で整理整頓を行なう方が、効率よく引越し後の片付けを終えることができます。
5. まとめ
引越し前、引越し後、それぞれにどのような順序で片付けを行なえばいいか、おわかりいただけたでしょうか。最後に、引越しの片付けをスムーズに行なうポイントをまとめてみます。
■荷造りをする前に不要なものを捨てる
■明らかに不要なものから捨てて勢いをつける
■半年以上使っていないものは迷わず捨てる
■捨てられない高価なものは売ってしまう
■思い出が刻まれたものはデータ化する
■収納場所をイメージしながら荷造りをする
■引越し後は全てのダンボールを一度開封する
■ダンボールを空っぽにすることを優先する
■ダンボールを処分してから整理整頓を行なう
以上が、効率よく引越しの片付けを終えるためのポイントです。これを参考にすれば「何から手をつければ…」という状況にはならないはず。効率よく引越しの片付けを終えて、気持ちよく新居での生活をスタートさせてください。