埼玉県三芳町のゴミ屋敷条例の内容とは？ゴミ屋敷になる要因も紹介

１- ⒈ 町と所有者の債務

三芳町の条例では、町と所有者それぞれに債務があり次の事項が定められています。

・町の債務
建築物等が管理不全な状態にならないよう、所有者等が適切な管理ができるように必要な施策を総合的に推進します。また、管理不全な状態の改善に向けて必要な支援をします。

・所有者等の債務
建築物等が地域住民の生活環境に悪影響を及ぼさないよう、管理不全な状態にならないように適切な管理に努めなければいけません。

１- ⒉ 条例によってできること

三芳町の条例によってできることは大きく３つあります。これまでよりも支援をより実効性のあるものにするために次の事項が定められています。

・立入調査権限
町は、所有者等の承諾を得て立入調査ができます。

・改善のための町の代執行
所有者等が適切な生活環境を図るための措置命令（指導・勧告・命令）に従わない場合、同意がなくても町が代執行を行うことができます。
＊ただし代執行は、行政代執行法において他の手段でのその履行が困難であり、かつその不履行を放置することが公益に反すると認められたときに限り可能です。

・緊急安全措置
建築物等が管理不全な状態になり、人の生命や身体または財産に危害が及ぶ恐れがある場合には、直ちに必要最低限の措置を取ることができます。

１- ⒊ 審議会とは

条例を適切に運用するための審議会があります。管理不全な状態の建築物等の認定やその改善について「三芳町特定住居物件等調査審議会」を設置して、学識経験者などの意見を聞くことでより適正かつ公平に対応しています。
また措置命令や代執行をしようとするときには、あらかじめ審議会の意見を聴くこととされています。

２- ⒈ 身体的な要因

ゴミ屋敷の家主の多くは６０歳以上の方です。そのため、足腰が弱くなってしまっていたり老化による筋力の低下、体力の低下が大きな要因となります。
他にも怪我や病気、身体障害によって部屋の掃除が難しくなってしまったりゴミを出すことが困難になり段々とゴミ屋敷・ゴミ部屋になっていってしまいます。

２- ⒉ 心理的な要因

片付けが苦手であったり片付けたいけど何から始めたら良いのか分からないというところからゴミが溜まってゴミ屋敷になってしまうことも少なくありません。苦手でなくても部屋が散らかっていても抵抗を感じず、必要最低限の生活空間があれば気にならないという方もいます。
他にもまだ使える、いつか使うかもなど捨てるのがもったいないと考えたり、孤独感から自分の周りに多くの物を置いてしまってゴミ屋敷になってしまうことがあります。

２- ⒊ 時間的な要因

多忙によって片付けをしたりゴミを出す時間がないという方もゴミ屋敷になりやすいです。
収入が低くとにかく働かなくてはならないという方も時間に余裕ができません。逆に高収入の方でもその分仕事がハードで時間がなく、出来合いのもので食事を済ませてしまいそのゴミを片付けないまま溜まっていく。ということもあります。

２- ⒋ 医学的な要因

強迫的ホーディングやホーディングしょう害、ためこみしょう害によって居住空間に大量の物を度をこして収集することがやめられないということがあります。
また、認知症やアルツハイマーによりごみの判断が難しくなったり、日時や曜日の認識ができなくなりゴミの収集日に出せなくなってしまいます。
他にも、うつ病やADHD、自閉スペクトラム症や統合失調症などによってゴミ屋敷になってしまうケースも多くあります。